ご依頼内容/要望
工場の設備変更を機に、自動車部品加工ラインをロボット化したいので、部品の両面に溝をつける加工を行う専用機を製作してほしいというご要望でした。それだけでなく、これを足がかりとして工場のロボット化を促進したい、というご希望を含んだ依頼でもありました。
この専用機に求められたのは、未加工の部品を取り出し、表面に溝をつけ、部品を反転させて、裏面に溝をつけ、両面に溝がついた完成を置く、という一連の作業を1台のロボットでこなす能力です。初めてのご依頼内容でしたが、ロボット化の第一段階としては、人の手と同じ作業の流れで、品質・時間などの生産能力を維持・向上することが最低限必要な要素であることは変わりありません。お客さまからも省人化・生産能力といった点で、ロボット導入の費用対効果などを期待されていたので、特に時間という点を重視して開発に取り組みました。
TOYOのご提案
スカラタイプのロボットの強みを最大限に利用して
スピードと品質の両立を実現。
決められたタクト内で作業が完結することに成功。
お客さまから予め、スカラタイプのロボットを使用してほしいというご依頼もありましたので、今回のご依頼に一番合う機械をチョイスしました。
実は、TOYOでスカラタイプのロボットを使用して専用機を製作するのは、この案件が初めてでした。しかも、私自身もロボットのプログラムを一から任せられた初めての仕事でした。テンプレートがない中、ワクワクしつつも、とてもプレッシャーを感じながらの仕事でした。
一番難しかった部分は、決められたタクト内で作業を完了するという部分。品質は初期の段階で合格をいただいていましたので、時間短縮が最後まで残った課題でした。何度も試行錯誤しましたが、元々スピードが強みであるスカラタイプのマシンの特性を、うまく応用することができたと思います。
ここがポイント!
ワークを置く作業は、変わらず人の手によるものでしたが、その次の作業からはロボットに委ねられました。この最初の作業、「重ねて置かれている部品を1枚だけ取り出す」という作業をロボットにさせることが実はとても難しく、ここに工夫のポイントがあります。 繊細なアームとフィンガーの動き、そして微妙な力加減、さらにはスピードも加えてプログラムするのは、なかなかのチャレンジでした。これができたことで、作業の流れがスムーズになったと思います。 あとは、設計のチームワークも大きなポイントでした。プログラムは私、全体の設計は鶴田、制御系は中村と、3人のチームのチャレンジが実を結んだと思います。
完成
※写真については、企業秘密の為
お見せすることができません。
お客様の声
省人化と生産能力の向上を図るためのロボット化。ロボットでハンドリングというオファーに対応してもらい、実現できたことが本当に良かったと思っています。まさしく、ロボット導入の足がかりとなる一台を製作していただけたと思います。